ばあさんが連れてきた捨て猫。
もう齢20歳を超えているほどの三毛猫。
その猫が、何年か前から
「ゴハン」と日本語を発するようになった。
当初はエサが欲しい時にそう鳴いていたはずだったが、
その言葉しか話せないため、
だんだん何かをしてほしい時に「ゴハン」と言うようになった。
この猫、なぜか吐き戻しが多く、
当人(当猫?)も自覚してのことか、
ほんの少しずつしか食べなくなった。
そんなことから、
ちょっとずつ食べては「ゴハン」と呼ばれ、
排泄した後にも「ゴハン」と呼ばれ、
吐き戻した時にも「ゴハン」と呼ばれ、
夜行性のため、ちょくちょく夜中に
あれこれしてやらなければならない。
施設に入ったばあさんの置き土産。
「世話がいらなくなって寂しいだろうから
代わりにこいつを世話しといて」
ってところだろうか。