恐ろしい夢だった。
いや、今あの国で起こっていることに比べれば、
なんということもないのだが。
何か、会社で泊りがけで出かけた旅館の宴会で
社訓か何かを唱和する役に当たったのだが、
まったくそれが出てこない。
あぁ、これが認知症か、と思った。
それで目が覚めたのだが、
目が覚めてからも認知症の症状が残っているような気がした。
遠からずオレもこんなふうになるのか。
昨日の午後は、今日、母が雪が積もっている中外へ出ようとするのを
どうやって阻止するかと考えているうちに、
だんだんそれから逃れたくなって、
頭がおかしくなりそうになった。
これが介護うつかと思った。
個の状態から回復する力が失われれば、
確実にそうなる。
もうすでに自分の存在価値は失っている。
今のオレはただの小間使いだ。