入院中はわりと時間がスイスイ流れていく感じがしてたけど
家に帰ってみると、
「ひさしぶり」
と感じる。
初めは4人部屋でオレ一人だったのだが、
次々と人が入ってきた。
脚が浮腫んでいたり、麻痺していたりで
歩けない人が2人。あと検査入院が一人。
歩けない人は何を言っているのかよくわからない。
あとで入ってきた人は、麻痺がひどくて
言葉は「フガフガ」としか聞こえない。
検査入院の人は気管支の内視鏡か何かだったようで
帰ってきて痰がからんでずっとガーガー言っている。
もう一人の人も痰がからんでいるようでこちらもガーガーうるさい。
麻痺のある人は食事を止められていて
他の人の食事が運ばれているごとに
起き上がろうとしているのかなんなのか
ずっと踏ん張って声を上げ続けている。
それが毎回だから、きっとそのせいで別部屋に移動させられた。
それでも、今までの入院で毎回悩まされてきた「イビキ」は
あるにはあったが、さほどでもなく、
おかげで家にいる以上によく寝させてもらった。
(病院には夜中に起こすネコがいないので)
疲れるとすぐに声がかすれて出なくなる私は
この中では、いるのかいないのかわからないような存在だったかもしれない。
きっと男は「ガーガー」と大きな声を出すことによって、
自分の存在を誇示しているのかもしれんなぁと思った次第である。